恐怖
2001年7月22日絶対的な恐怖を感じるトキやモノがあるはず。
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俺の住んでいる近くにデカイ煙突がある。いつもは遠くから眺めているだけの煙突なんだけど、今日たまたま近くを通りかかった。
俺は煙突を間近で見ることが怖い。恐怖と言うより畏怖に近い。
理由は良く分からないが、ガキの頃からそうだった。
いつもは俺の人差し指と同じ大きさくらいの煙突がその時は息苦しいくらいに空を圧縮する。
その圧倒的な存在感と俺は対峙できない。自分の小ささなんて昔から分かっちゃいる。だからなおさら余計に耐えられない。
近くで見る煙突は単色ではなかった。様々な色の柔らかい輪郭が混ざり合っていた。
この発見も俺を慄かせる要因の一つにしかならなかった。明日からは人差し指の煙突になるのがせめてもの救いだった。
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