オール　〜その1〜

大人数の飲み会もそれはそれで好きなんだが、サシで飲むのも結構好きだ。「考えられない」と人には言われるが、友人として女性と飲むことも度々ある。「口説こうなんて毛頭思っていない」と言うと多くの人には信じてもらえないが、自分としては本当にそんな気はない。


8月20日、月曜日の夜。夏休み中の大学生という特権を活かして週の頭から飲むことにした。話の流れの通り女の子（っていうのは語弊があるような気がする。女性と言ったほうが良いんだろうな・・・）と。

お互い翌日の午前中に予定があったので終電前には帰ろうと取り決めていたのに、二人ともまぁまぁ飲めるほうなので、というか相手は相当な酒豪なので、グビグビ飲んでいたら思いっきり終電を逃し、仕方ないのでオールで飲み明かすことになった。


大勢で飲んで語ったことは過去にあったがサシで飲むのは初めてで、語られるにつれ改めて「カッコイイ女（もちろん"ヒト"と読む）だなぁ〜」と、男として失格と言われても仕方ないような感想を抱いてしまった。

でも俺はそういう人間関係があってもいいと思っている。
人には「住む世界」っていうやつがある。それは決して無視できないものだと俺は考える。だからそういう人生の交わり方っていうのは、それはそれで了承すべきもんなんだ、と思う。


別れ際に「台風とかが来るとドキドキするよね？」と、その人の口から出るとは思えないような台詞が出た時は・・・。残念ながら俺はドキドキするわけもなく、大爆笑してしまった。ちょっと相手の目が怒っていたので付け加えておいた。


「俺は台風だけじゃなくて停電とか君とかにもドキドキする」